ホームページの問い合わせを増やすには|申し込みが増えない原因を分析する方法

ホームページの問い合わせが増えない原因を見つける方法

\30分で課題が見える/

この記事の目的

問い合わせが増えない原因が「どの段階にあるのか」を、自社で切り分けられるようになってもらう

この記事のレベル感/

初心者向け
重要度
難易度

「アクセスは増えているのに、問い合わせが増えない」
「何が原因なのか分からないまま、記事だけが積み上がっている」

問い合わせは、〈存在を知られる → サイトに来てもらう → 読まれる → CTAに気づかれる → フォームに到達する → 送信し終える〉という多段階の掛け算で発生します。どこか一箇所が詰まっていれば、その手前をいくら増やしても結果は動きません。

しかし、多くの企業が「アクセス数」と「問い合わせ数」の2つしか見ておらず、どこで取りこぼしているかを特定できないまま施策を打ち続けています。

本コラムでは、問い合わせが増えない原因を7つの段階に切り分ける方法と、そのために必要な計測の設定を、ツール名と見るべき数字まで含めて解説します。

抽象的な考え方の話ではありません。GA4・Search Console・Clarityのどこを開き、どの数字とどの数字を比べるのか。そして、その数字を取るために事前に済ませておくべき設定は何か。順を追って具体的に挙げています。

自社サイトの現状を診断するチェックリストとして、あるいは改善の優先順位を社内で議論する際の土台として、本記事をご活用ください。

目次

なぜ「アクセスを増やせば問い合わせが増える」と考えてしまうのか

理由は、見ている数字が2つしかないからです。アクセス数と問い合わせ数。手元にこの2点しかなければ、両者を直線で結ぶ以外に解釈のしようがありません。

そして打ち手も「アクセスを増やす」しか出てこなくなります。これは経営者の思考力の問題ではなく、計測の粒度の問題です。

分解して見ていないから、分解して考えられない。そして分解して考えられないから、立てる計画も「問い合わせを月◯件」という粗いものになります。

粗い計画は、外れたときに何も教えてくれません。この記事で「原因の切り分け」を先に扱うのは、そこが計画の精度そのものを決めているからです。

ホームページの問い合わせは「多段階の掛け算」で決まる

冒頭で触れた段階は、実際には問い合わせのさらに先まで続きます。

①接触される → ②訪問される → ③読まれる → ④CTAに気づかれる → ⑤フォームに到達する → ⑥送信し終える → ⑦商談になる → ⑧受注する

重要なのは、これが足し算ではなく掛け算だという点です。どこか一箇所がゼロに近ければ、上流をいくら増やしても結果はほとんど動きません。

ここであえて「検索結果に表示される」ではなく「接触される」と書いているのには理由があります。①と②が何を指すかは、チャネルによってまったく違うからです。

検索だけを前提にすると、SNSも広告もチラシも展示会も、測る対象から抜け落ちます。実際には、以下のように読み替える必要があります。

チャネル ①接触にあたるもの ②訪問の測り方
オーガニック検索 検索結果への表示 クリック数・CTR(Search Console)
リスティング・ディスプレイ広告 広告の表示回数(インプレッション) クリック数・CPC(広告管理画面)
SNS運用 投稿のインプレッション・リーチ プロフィール/リンククリック → GA4
メール・LINE公式 配信数・開封数 リンククリック率 → GA4
チラシ・展示会・看板 配布数・来場者数・通行量 QRコード読取数・指名検索数
紹介・口コミ 紹介の発生件数 指名検索数・直接流入(ノーリファラー)

逆に言えば、③以降はどのチャネルから来ても共通です。SNSから来た人も、チラシのQRコードから来た人も、同じページを読み、同じCTAを見て、同じフォームを入力します。

ここが計測を設計するうえでの分岐点になります。①②はチャネルごとに別々のツールで測り、③以降は全チャネル共通の受け皿でまとめて測る。後半で詳しく扱います。

たとえばフォームの送信率が3%しかないサイトでは、広告費を倍にしても、チラシを倍まいても、増えるのは「フォームで離脱する人」の数だけです。接触を増やすという打ち手は、その先の段階が正常に機能している場合にだけ有効です。

顧客の心理段階(認知・興味・検討・購入・リピート)そのものの考え方については「マーケティングファネルの基礎知識」で詳しく解説しています。

PVが少ないほうが問い合わせが多い、は普通に起きる

具体例で考えてみます。

月間PV問い合わせ
A社8001件
B社3005件

PVはA社がB社の2倍以上ですが、問い合わせはB社が5倍です。中身を分解すると理由が見えてきます。

A社の800PVは、その大半が「◯◯とは」「◯◯ やり方」といったキーワードからの流入でした。調べ物をしているだけで、そもそも外注を検討していない読者です。

一方でB社の300PVは、「◯◯ 業者 ◯◯市」「◯◯ 費用 相場」といったキーワードからの流入です。すでに依頼先を探している人たちが訪れています。

この状態でA社がPVを1,600に倍増させても、増えるのは調べ物をしている読者だけです。問い合わせは1件が2件になるかどうか。対してB社は、同じ質の流入を100PV増やすだけで、問い合わせが2件近く増える計算になります。

問題はアクセスの「量」ではなく「質」でした。しかしアクセス数と問い合わせ数しか見ていなければ、この違いには永久に気づけません。

BtoBや製造業では、この傾向がさらに強く出る

検索母数がそもそも小さい業種では、量を追う戦略はさらに機能しにくくなります。

「◯◯ 加工 依頼」「◯◯ 部品 見積もり」といったキーワードは、月間検索数が二桁ということも珍しくありません。しかしそこから来る1件は、ほぼ確実に商談につながります。

検索数の大きさと、問い合わせへの近さは比例しません。母数の小さい業種ほど、量を追うより「質」と「取りこぼしの改善」が効きます。

だから「問い合わせ月20件」という計画は失敗する

多くの企業が、年度初めにこうした目標を立てます。そして未達に終わったとき、原因が特定できません。

  • そもそもアクセスが足りなかったのか
  • 来ていた人の「質」が合っていなかったのか
  • 記事は読まれていたが、CTAが見られていなかったのか
  • フォームの入力途中で離脱していたのか
  • 問い合わせは来たが、商談にならなかったのか

どれも検証できないまま、「もっと頑張ろう」という反省だけが残ります。そして翌年、また同じ粒度の目標を立てる。

粗い計画は、外れても学習が起きません。だから何度でも同じ失敗を繰り返します。

逆に言えば、計画の粒度は、事前にどこまで測れる状態を作っているかで決まります。計画の精度は、分析の粒度に規定されるということです。

問い合わせが増えない原因を、7段階で切り分ける

では、どの数字を見れば原因を切り分けられるのか。段階ごとに整理します。①②は前述のとおり、自社が使っているチャネルに読み替えてください。

段階 疑うべき問題 見る数字 ツール
①接触 そもそも見つかっていない・目に触れていない 表示回数・インプレッション・配布数 Search Console / 広告管理画面 / SNSインサイト
②訪問 接触はしているがサイトに来ていない クリック数・CTR・QR読取数 各チャネルの管理画面 / GA4
③閲覧 読まれずに離脱している エンゲージメント率・平均エンゲージメント時間 GA4 / Clarity
④CTA 問い合わせページに進んでいない 記事PV → 問い合わせページ到達数 GA4 / Clarity
⑤フォーム 入力途中で離脱している フォーム到達数 → 送信完了数 GA4 / Clarity
⑥商談化 質の低いリードが混じっている 問い合わせ数 → 商談数 管理シート / CRM
⑦受注 提案や価格で負けている 商談数 → 受注数 管理シート / CRM

この表を使ううえで、押さえておくべき原則が3つあります。

原則1:「見る順番」と「直す順番」は違う

ここが最も誤解されやすいところです。

見るときは①から順にたどります。上流が詰まっているのに下流を見ても、そもそも母数が少なすぎて判断できないからです。表示回数が月30回のページで「CVRが低い」と言っても、それは偶然の範囲でしかありません。

しかし直すときは、上流からではなく「損失が最大の段階」から着手します。

むしろ多くの場合、優先すべきは下流です。理由は3つあります。

  • 効果が全チャネルに及ぶ:フォームを直せば、検索から来た人にも広告から来た人にもチラシから来た人にも同時に効きます
  • 時間が圧倒的に短い:検索の表示回数を2倍にするには半年かかりますが、フォームの入力項目を減らすのは1日で終わります
  • 追加費用がかからない:すでに来ている見込み客を取りこぼしているだけなので、集客費を増やす必要がありません

つまり「診断は上から、着手は損失の大きい順」です。上流から順に直していく必要はありません。

原則2:単体の数字ではなく、必ず「率」で見る

「問い合わせが5件」という数字だけでは、打ち手は決まりません。しかし「フォーム到達120件/送信5件=4.2%」まで分解すると、直すべき場所が確定します。

ここで問題になるのが、その率が良いのか悪いのかを判断する基準です。基準がなければ、率を出しても結局「こんなものか」で終わります。

おおまかな目安を挙げておきます。

見る率 目安 下回っているときに疑うこと
検索結果のCTR
(クリック÷表示回数)
1位で20〜30%
10位で1〜3%
順位のわりに低いなら、タイトルと説明文が検索意図に合っていない
問い合わせページ到達率
(到達÷記事PV)
5〜10%程度 CTAの位置・文言。そもそも記事の読者層が検討段階にない可能性も
フォーム送信率
(送信÷フォーム到達)
40〜60% 10%を切るなら入力項目・エラー表示・スマホ表示に問題がある
商談化率
(商談÷問い合わせ)
30〜50% 初動の遅さ。または集客しているキーワードの意図がズレている

ただし、これらの数値は業種・単価・商材によって大きく変わります。高額なBtoB商材ならCVRは低くて当然ですし、地域密着の店舗ビジネスならもっと高く出ます。

そのため、最も信頼できる基準は業界平均ではなく「自社の蓄積した数字」です。他社と比べるのではなく、自社の推移と比べる。これなら業種の違いに左右されません。

だからこそ、まず計測を始めることが最優先になります。3か月分のデータが溜まれば、それが自社専用の基準になります。

原則3:「来る前」と「来た後」は別のツールで見る

GA4が見せてくれるのは「サイトに来た後」だけです。「サイトに来る前」は、各チャネルの管理画面でしか分かりません。

この区別が重要なのは、訪問数が同じ100でも、原因がまったく違うことがあるからです。

来る前のデータ GA4での見え方 本当の原因
表示回数 20,000/CTR 0.5% 訪問100 見られてはいる。タイトルが選ばれていない→ タイトル改善
表示回数 400/CTR 25% 訪問100 選ばれてはいる。そもそも露出が足りない→ 記事追加・順位改善

GA4だけを見ていると、どちらも「訪問100」にしか見えません。打ち手は正反対なのに、同じ数字に見えてしまうのです。

オーガニックならSearch Console、広告なら広告管理画面、SNSなら各インサイト、チラシなら配布数の記録。訪問が少ないときは、必ず「来る前」から確認してください。

補足:Clarityで「なぜ」を埋める

ここまでの原則で「どこで落ちているか」は分かります。しかし「なぜ落ちているか」は数字からは出てきません。

そこで使うのが Microsoft Clarity です。無料で導入でき、ヒートマップとセッション録画が確認できます。やみくもに眺めても時間を使うだけなので、見る対象を絞ってください。

  • 離脱の直前10秒を見る:どこで手が止まったかが分かる
  • rage click(連打)で絞る:押せると思った場所が押せていないサイン
  • dead click(反応しないクリック)で絞る:画像やテキストがボタンだと誤解されている
  • スマホの録画から優先して見る:多くのサイトで流入の7割以上を占めるため

5〜10本も見れば、たいてい同じ場所で同じ止まり方をしている人が見つかります。数字で当たりをつけ、録画で確証を得る。この順番で見ると、改善案が推測ではなく事実にもとづくものになります。

チャネル別に、何をどう測るか

ここからは、①②にあたる部分をチャネル別に具体的に見ていきます。下流が共通である以上、その共通の受け皿にどうやってチャネル情報を持ち込むかが、計測設計の肝になります。

オーガニック検索(SEO)

見るのは、Search Consoleの表示回数・CTR・平均掲載順位と、GA4のエンゲージメント率です。

注意点が一つあります。オーガニックは成果が出るまで3〜6か月かかるため、月次の問い合わせ数だけで判断すると必ず「効果なし」と誤判定します。

先行指標(表示回数・掲載順位)と、遅行指標(問い合わせ数)を分けて置いてください。表示回数が伸びているなら、問い合わせが動いていなくても施策は前に進んでいます。

SEO施策そのものの内訳については「ホームページのSEO対策とは?12種類の施策について解説」で詳しく解説しています。

同じオーガニックでも、キーワードによってCVRは変わる

ここが、多くの企業で見落とされている点です。

「サイト全体のCVR 1.2%」という数字は、あまり意味がありません。その中身は、「◯◯ 費用」で入ってきた読者のCVR 8%と、「◯◯とは」で入ってきた読者のCVR 0.1%が、平均されているだけです。

キーワードの種類 CVR傾向 記事に持たせる役割
取引型 ◯◯ 依頼 / ◯◯ 見積もり 高い 直接コンバージョン
比較検討型 ◯◯ 費用 / A社 B社 比較 中程度 比較情報から誘導
情報収集型 ◯◯とは / ◯◯ やり方 低い 認知獲得と内部誘導

ここから導かれる結論は明確です。情報収集型の記事にコンバージョンを求めるのは、設計ミスです。

その記事に置くべき目標は「問い合わせ数」ではなく、「取引型の記事への遷移数」です。つまり、記事ごとに正しい基準を置き直す必要があります。

実務としては、Search Consoleのクエリ別データと、GA4のランディングページ別コンバージョン数を突き合わせます。「表示回数は多いのにCVがゼロのページ」と「表示回数は少ないがCVしているページ」を並べると、リライトすべき対象が自動的に浮かび上がります。

SNS運用

SNSでまず押さえるべきは、「いいね数」と「フォロワー数」は、それ単体では成果指標にならないということです。1万人いるから売れる、というロジックは成立しません。

見るべきは〈接触 → 態度変容 → 流入〉の3段階です。Instagramならリーチ数・保存数・プロフィールへのアクセス、Xならインプレッション・エンゲージメント率・プロフィールクリック、というように媒体ごとに対応する指標が用意されています。

どの媒体でも必須になるのがUTMパラメータです。リンクにUTMを付けていないと、GA4上でSNS流入がすべて「Social」に潰れ、どの投稿が効いたのかが永久に分かりません。

広告

広告は「管理画面を見ましょう」で終わらせがちですが、症状によって見るべき列は決まっています。表示回数が伸びないならインプレッションシェア、クリックされないならCTRと品質スコア、CVしないならLPの利便性、というように対応関係があります。

最も重要な注意点は、管理画面のCV数と、実際の受注数は別物だという点です。管理画面上でCPA 8,000円と表示されていても、そのリードが受注に至らなければ意味がありません。

極端に言えば、CPA 8,000円で受注ゼロのキャンペーンより、CPA 30,000円で3件受注しているキャンペーンのほうが優秀です。管理画面の数字で止めず、受注まで紐づける。これが広告を「経費」から「投資」に変える分岐点です。

CVR改善の前に、測れる状態を作る

ここが実務でもっとも重要なポイントです。以下の設定がないと、そもそもここまでに挙げた数字は取得できません。

「自社が今どこまで設定できているのか分からない」という方へ

この章の内容は、Webサイトの実装に踏み込むため専門性が高い領域です。「GA4は入れているが、コンバージョンが正しく計測できているか自信がない」という状態は、決して珍しいことではありません。

現状の設定状況は、外部からある程度まで確認できます。ご自身での判断が難しい場合は、株式会社ワールドリンクまでお問い合わせください。今どこまで測れていて、何が足りていないのかを整理してお伝えします。

設定すること 目的 なければどうなるか
GA4のコンバージョンイベント設定 フォーム送信を計測する CVRが算出できない
フォーム到達を別イベント化 到達と送信を分ける フォーム離脱率が測れない
Search ConsoleとGA4の連携 キーワードとページを繋ぐ キーワード別の成果が見えない
UTMパラメータの命名統一 チャネル・施策別に分ける SNSやメールが「その他」に潰れる
フォームのhidden項目に流入元を記録 リードとチャネルを紐づける どの施策が受注に繋がったか不明
広告のコンバージョンタグ設置 CPAを算出する 広告費の妥当性を判断できない
オフライン施策にQRコード+専用URL チラシ・展示会・看板の効果を測る オフライン施策が「直接流入」に埋もれる
フォームに「当社を何で知りましたか」欄 紹介・口コミなど計測不能な経路を拾う 最も効いている経路を見落とす
管理シートで受注まで記録 ROIを算出する コンバージョン数までしか見えない

強調しておきたいのは、後から遡って取れる数字は、ほとんどないということです。

3か月広告を回したあとで「どのキーワードが受注に繋がったか知りたい」と言っても、設定していなければデータは存在しません。計画を立てる作業と、計測設計をする作業は、本来セットで行うものです。

なお、チラシや展示会、紹介といったオフラインの経路は、Web解析ツールだけでは絶対に追えません。だからこそQRコードで専用URLに飛ばす、あるいはフォームに「当社を何で知りましたか」の選択欄を設けるといった、地味な仕込みが効いてきます。

実際、この欄を設けてみると「紹介」が最大の流入経路だった、というケースは珍しくありません。測っていないものは、存在しないことにされてしまいます。

パラメータは「分けて」初めて意味を持つ

ここで一段踏み込みます。パラメータは付けるだけでなく、分けることに価値があります。

たとえばチラシ。全種類で同じQRコードを使い回すと、分かるのは「チラシ経由で何件来たか」だけです。しかし配布時期・エリア・チラシの種類ごとにパラメータを変えておけば、こうなります。

配布セグメント 配布枚数 読み取り数 読み取り率
◯◯町・Aデザイン 5,000枚 32件 0.64%
◯◯町・Bデザイン 5,000枚 11件 0.22%
△△町・Aデザイン 5,000枚 8件 0.16%

この3行があれば、次回は「◯◯町にAデザインを厚めにまく」という判断が数字で下せます。分けていなければ「チラシ経由51件」で終わり、次も同じ配分でまくことになります。

チラシは「まいてみないと分からない」のではなく、分けて測っていないから分からないだけです。

LP内のCTAボタンも同じ。ただしUTMは使わない

同じことが、サイトの内側でも起きています。

LPにはファーストビュー、料金表の下、ページ末尾、スマホの追従ボタンと、複数のCTAが置かれているはずです。これらをすべて同じリンクにしていると、どのボタンが押されたかが分かりません。

分けておけば、たとえば「料金表の下ばかり押される」と分かります。それは価格が最大の判断材料になっているというサインで、料金情報をもっと手前に出すべきだ、という具体的な打ち手につながります。

ただし、ここでチラシと同じ感覚でUTMを付けてはいけません。サイト内リンクにUTMを付けると、GA4がそこを新しい流入と判定し、セッションが分断されて本来の流入元が上書きされます。検索や広告から来たはずの訪問が、その経路として計上されなくなるのです。

計測のための設定が、計測を壊してしまう典型例です。正しくは、utm_ 以外の独自パラメータ(?cta=price など)を使うか、GA4のクリックイベントとして計測します。

ホームページのCVR改善で、最も効果が出やすいのはフォーム

分解して調べていくと、多くのサイトで詰まっているのはフォームです。

フォーム到達数に対して送信完了が5%を切っているなら、原因はフォームそのものにある可能性が高いと考えられます。入力項目が多すぎる、必須項目が不親切、エラー表示が分かりにくい、スマホで操作しづらい。

ここは改善の効果がもっとも出やすい領域でもあります。すでにフォームまでたどり着いている見込み客を取りこぼしているわけですから、集客を増やすより即効性があります。

具体的な改善手法については「EFO(入力フォーム最適化)とは」で詳しく解説しています。

実例:3箇所を直しただけで、送信率が8%→13%になった

弊社で実際に対応した事例をご紹介します。デザインの変更も、フォームツールの導入も行っていません。手を入れたのは、次の3箇所だけです。

対応内容 なぜ不要だったか ユーザー側の負担
フリガナ欄を削除 システム側で自動生成でき、業務上も使っていなかった 入力1項目ぶん
氏名の入力欄を2つから1つに統合 「◯◯様」と差し込みたいという送信側の都合だった スマホでの入力欄の移動が1回発生
FAX欄(任意)を削除 実質的に使われていなかった 任意でも「フォームが長い」と感じさせる

結果、フォーム送信率は8%から13%へ改善しました。約1.6倍です。集客数は一切変えていないため、問い合わせ件数もそのまま1.6倍になった計算になります。

注目していただきたいのは、この3つに共通する性質です。

  • フリガナ → 顧客管理システムの都合
  • 氏名の2分割 → 差し込み文を作る側の都合
  • FAX欄 → かつての商習慣の都合

3つとも「受け取る側の都合」で置かれていた項目でした。入力するユーザーにとっての利益はゼロで、手間だけが増えていたことになります。

特に見落とされやすいのが、氏名欄とFAX欄です。

氏名を姓と名で分けるのは一般的な作りですが、スマホでは入力欄の移動が余計に1回発生します。1回と侮れず、こうした小さな摩擦の積み重ねが離脱を生みます。

FAX欄も「任意だから離脱には影響しない」と思われがちです。しかしユーザーはフォームを開いた瞬間に全体の長さを見て、埋める気になるかどうかを判断します。必須か任意かは、その時点では見ていません。

先ほどの判断基準——「その項目がなければ、営業の初動が止まるか?」——を当てはめれば、この3つはいずれも最初から不要だったと分かります。改修にかかった時間は数時間です。

毎月の運用は、3ステップで回せる

ここまで読んで「大変そうだ」と感じられたかもしれません。しかし、一度設定を済ませてしまえば、月次でやることは3つだけです。

1. 計画と実態を、同じ表に並べる

段階ごとに、計画値と実績値を横一列に並べます。表示回数、クリック数、フォーム到達数、送信数、商談数、受注数。

この6項目を1枚のシートで管理するだけで、どこがズレたかは一目で分かります。

2. 未達の段階を1つだけ特定する

すべてを同時に改善しようとすると、結局どれも中途半端に終わります。最上流で計画から大きく外れている段階を1つ選び、そこだけに集中してください。

3. ズレた原因を、3つに分類して記録する

  • 前提が間違っていた:想定していたCTRやCVRの見立てが甘かった
  • 実行が足りなかった:記事本数、広告予算、改善スピードが不足していた
  • 外部環境が変わった:競合の参入、季節性、検索アルゴリズムの変動

この分類を残しておくと、翌月の計画値の置き方が確実に精度を上げていきます。

未達を責めるための会議ではなく、前提のどこが外れたかを記録するための会議にすること。これができている会社は、半年後に計画の精度がまったく変わってきます。

まとめ:分析の粒度が、計画の精度を決める

最後にもう一度まとめます。

  • 問い合わせは多段階の掛け算で生まれるため、どこか一箇所が詰まっていれば上流を増やしても効果は出ない
  • 原因を切り分けるには、段階ごとに「分母と分子」のセットで数字を見る
  • その数字を取るための計測設計は、施策を始める「前」に済ませる
  • 構造が見えないまま立てた計画は、外れても原因が特定できず、同じ失敗を繰り返す

細かく分析できる状態を作ること。それ自体が、計画を機能させるための前提条件です。

まずは自社のサイトで、フォーム到達数と送信完了数が計測できているかを確認してみてください。そこが取れていないなら、計画以前に、測る準備から始める必要があります。

「どこで詰まっているのか」を、一緒に特定しませんか?

もし、以下のようにお悩みであれば、ぜひ一度株式会社ワールドリンクにご相談ください。

  • 「アクセスはあるのに、問い合わせが増えない」
  • 「そもそも何を計測すればいいのか分からない」
  • 「GA4を入れてはいるが、どの数字を見ればいいのか分からない」

私たちは、計測環境の設計から、数字にもとづいた改善提案までを一貫してご支援しています。まずは現状の課題をお聞かせください。貴社サイトのボトルネックがどこにあるかを、数字でお示しします。

執筆監修者 上原 翔

株式会社ワールドリンク 代表取締役
1989年8月6日生まれ、東京都練馬区出身。20代前半にインターネットマーケティングを開始。その後、2019年に同社の代表取締役に就任。100以上の法人サイトの運営をサポートしている。

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