ホームページの収益に関わる「ベネフィット」について解説

    ホームページの収益性を改善する場合「ベネフィットが伝わっているか」という観点で見直すのが重要です。

    収益性の低いホームページの場合、ベネフィットではなくスペックやメリットが前面に出ている可能性があります。

    まずは、スペック・メリット・ベネフィットの違いを理解した上で、ベネフィットが伝わりやすいホームページの作り方について解説していきます。

    関連記事:マーケティングファネルを活用したWEB戦略について解説

    目次

    ホームページの収益性を高めるベネフィットとは?

    ホームページ ベネフィット

    ベネフィット(Benefit)とは、基本的には「利益」を意味します。この「利益」は、金銭的な利益だけではなく、人や社会の幸福につながる「恩恵・便益」「援助」などの意味も含まれます。

    一方、マーケティング(ビジネス)におけるベネフィットとは、「顧客が商品やサービスを購入することによって得られる自分にとっての利益」と定義されます。

    言い換えると「サービスの申込や商品を購入すると自分がどうなるのか」がベネフィットといえます。

    ベネフィットをお客様に認識してもらうことで、購入後の具体的な効果がイメージしやすくなるため、結果として商品やサービスの購入促進につながります。

    つまり、ベネフィットが伝わりやすいようにWEBサイトを設計することが、WEBサイトの収益に大きく影響してきます。

    ベネフィットとメリット・スペックの違い

    ベネフィット メリット スペック 違い

    ベネフィットを理解する上で、「メリット(特徴)」や「スペック(仕様)」との違いを把握しておく必要があります。

    • スペック(仕様):商品やサービスの機能・特徴
    • メリット(特徴):商品やサービスの効果
    • ベネフィット(利益):商品やサービスを購入することによって得られる自分にとっての利益

    スペックは商品・サービスが主語であるのに対して、メリットとベネフィットは商品・サービスを使う本人が主語になることが大きな違いです。

    スペック(機能・特徴)

    スペックとは、商品やサービスの機能や特徴を指します。

    一眼レフカメラを例にすると、「ISO感度」「シャッタースピード」「F値」といった機能がスペックにあたります。また、「軽量」「手振れ補正」「スマホ連携」といった特徴もスペックです。

    化粧品でいれば、「コラーゲン1000mg」「レモン1000個分のビタミンC」といった成分がスペックにあたります。

    このように主語は、商品・サービスそのものです。

    メリット(効果)

    スペックによって実現される価値が「メリット」です。

    一眼レフカメラを例にすると、「高画質に撮影できる」が代表的なメリットです。

    スペックは、あくまで機能や成分でしかなく「ISO感度」「シャッタースピード」などいわれても、購入したいと思う人は少ないはずです。もちろん、スペックを重視する一眼レフカメラに詳しい人ならば、それらに注目する可能性はあります。

    そんなスペックを、お客様からみた効果に変換させたのがメリットです。

    スペックが充実しているからこそ「高画質に撮影できる」できるというお客様視点に変えることで、行動に繋がります。

    ベネフィット(利益)

    メリットよりも、お客様がリアルにイメージできる利益が「ベネフィット」です。

    一眼レフカメラの例では、「子どものリレーがブレずに撮影できる」「星空がきれいに撮れる」のような具体的で情緒的な言葉がベネフィットといえます。

    メリットの段階では、購入した価値を具体的にイメージしにくいはずです。上記のように、購入後の解像度を上げることで、お客様は具体的に購入した価値を感じやすくなります。

    確かに、子どものリレーの映像をきれいに残してあげたいな。

    このように、ターゲットが具体化にイメージできるのがベネフィットの役割です。

    どんな見せ方をすればベネフィットが感じられるのか、ターゲットが具体的にイメージできるように伝えましょう。

    ユニバーサルスタジオジャパンの成功事例

    ユニバーサルスタジオジャパン 成功

    2001年に開園したユニバーサルスタジオジャパン(USJ)は、2010年に事実上の経営破綻に陥りました。その経営危機を救ったのは、森岡豪氏のマーケティングの手腕といわれています。

    森岡氏に与えられたミッションは、「クリスマスシーズンの集客」でした。経営危機で施設に投資する予算もなく、プロダクト(施設)は前年と全く変わっていません。

    森岡氏就任前のテレビCMは、「昼にパレードあります」「夜になるとイルミネーションあります」のような、スペック押しのCMでした。

    そこで森岡氏は、スペック押しのCMからベネフィット押しのCMへの変更を行いました。

    ターゲットを小さな子供連れファミリーに定め、「子供と本気で楽しめるクリスマスはあと何回もない」という親の切ない深層心理に訴えかけたCMにしたのです。

    父親が優しく娘を見つめながら「いつか君が大きくなってクリスマスの魔法が解けてしまうまでに、後何回こんなクリスマスがすごせるかな。」というナレーションが流れるCMです。

    結果的に、2010年の森岡氏が入社した時点で750万人程度だった入場者数は、2016年度に1390万人と前年に対して倍増しました。

    プロダクト(施設)が前年と全く変わらないのに、CMを変えただけで成果に大きく影響した事例です。

    ベネフィットが伝わるホームページの特徴

    ベネフィットが伝わりやすいホームページには、次の特徴があります。

    • ファーストビューでベネフィットが伝わる
    • お客様の声で客観的な意見が伝わる
    • ベネフィット→スペックの順で構成する

    ファーストビューでベネフィットが伝わる

    WEBサイト訪問者は50㎜秒(1/20秒)で自分にとって有益か判断します。だからこそ、ファーストビュー(サイトを開いた最初の画面)で刺さるベネフィットが提示できるか否かで、成果に大きな差が生まれます

    瞬間でベネフィットを伝えるためには、「デザイン」と「メッセージ」の両方を考慮して設計します。

    デザイン

    WEBサイトの第一印象は、最初に目に飛び込んできたデザインに大きく左右されます。次の点に気を付けるとベネフィットが伝わりやすくなります。

    • ターゲットに合わせた画像を使う
    • 画像はディスプレイ全面サイズに表示する
    • シンプルなデザインにする
    • 解像度の低い画像を使わない

    ファーストビューに情報が多すぎると、伝えたいメッセージが伝わりにくくなります。例えば、画像がディスプレイの半分程度の場合、ディスプレイの下半分から文章が始まるため目が散りやすくなります。

    ファーストビュー デザイン

    メッセージ

    一般的に、人が一瞬で認識できる文字数は13~15文字程度だといわれます。そのため、ベネフィットは13文字以内に納めるのが適切です。

    ターゲットを決めて、ターゲットに対してシンプルに伝わるベネフィットを提示しましょう。13文字以上の文章になってしまう場合も、前半13文字だけでベネフィットが伝わるようにするのが望ましいです。

    お客様の声で客観的な意見が伝わる

    お客様の声は、商品やサービスに対する客観的な意見を示すことができます。

    お客様から声を収集する際には、「購入したことでどんな利益があったのか」を意識するとベネフィットが伝わりやすいお客様の声が作成できます。

    お客様の声は、「お客様から意見を頂いていることが証明できる」のが重要です。

    嘘のお客様の声を載せることもできてしまうため、お客様の写真や、お客様の手書きの文章などを掲載するといいでしょう。

    ワールドリンクでは、次のようなお客様の声をサイトに入れています。参考までにご確認ください。

    お客様の声:株式会社サムライフ様|WEBサイトリニューアルから運用代行を実施

    ベネフィット→スペックの順で構成する

    ベネフィットだけ載せたホームページは説得力がないため、スペックを載せて説得力を持たせます。

    前述の一眼レフカメラの例だと、「子どものリレーがブレずに撮影できる」というベネフィットを証明するために、「ISO感度」「シャッタースピード」「F値」といったスペックを続けて説明します。

    「ベネフィット→スペック」の順番でホームページに掲載することで、説得力のあるページが構成できます。

    ベネフィット重視のコピーをファーストビューに掲載し、サイトをスクロールすることで「商品のポイント」などのスペック情報を掲載すると説得力を持たせられます。

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